低金利時代の保険の新常識① 終身保険のかけすぎは資産形成の足かせに
貯蓄性が高い保険として人気のある「終身保険」。
一生涯の保障で、死亡時に確実に保険金が受け取れるため、葬儀費用の準備などを目的として加入している人が多い保険です。
しかし、今の終身保険は保険料が高く、貯蓄性があるというメリットは薄れています。終身保険に加入しすぎると、保険貧乏につながりかねません。
昔の終身保険は、損をしにくい優れた「貯蓄できる保険」だった
昔は、高い金利を背景に、預貯金に死亡保障がついたようなものと考えることができ、終身保険に加入するメリットが非常に高かったと言えます。
20年ほど前は、保険料の想定運用利回りである「予定利率」が3%程度ありました。もっとさかのぼれば、5%を超えていた時代もあります。
当時の終身保険は、保険料が安く、解約したときには、それまでに払い込んだ保険料よりも多い金額の解約返戻金を受け取ることができました。
そのため、余裕資金を資産運用に回す必要はなく、終身保険に加入していれば、将来の資産形成に活用することができたのです。
低金利時代で終身保険に変化が
しかし、低金利時代に突入していくにつれて、終身保険に変化が現れます。
金利が低下すると、運用成果が低下するため、同じ保険金を受け取るのに必要な保険料が上昇してしまいます。
保険料が上昇すると、加入をためらう人が出てきます。
その流れを食い止めるため、保険会社は、「解約返戻金を抑制する」という手段を選びました。
途中解約した場合には、総支払保険料よりも少ない解約返戻金になるという「ペナルティ」を課すことによって、保険料の上昇をある程度抑えることができるようになりました。
損をしたくなければ、解約せずに保険料を払い続けるしかない
結果として、今の終身保険は、途中解約をすると損をする仕組みに変わりました(※1)。
保険料の支払い期間が終了すれば、解約しても保険料と同程度かそれ以上の解約返戻金を受け取ることができますが、そのときには65歳や70歳といった高齢になっています。
つまり、損をしないで終身保険に加入するということは、「貯蓄効果は老後にしか得られない保険」に加入するということです。
裏を返せば、保険会社や保険代理店の立場からは、「損を恐れて、解約される可能性が非常に低い、安定収入につながる保険」と考えることもできます。
(※1)一時払終身保険などを除く
これから終身保険に加入するなら、終身保険の保険金額は少なめで
これから終身保険への加入を検討する人は、20~30代の人が中心でしょう。
しかし、保険をすすめる担当者は、自分の成績などのために、より保険金が高い契約が取れるように努力するでしょう。そして、あなたの親世代の人にとっては、「終身保険ほど安全・安心でお得な保険はない」と考えているため、多少無理をしても終身保険に加入すべきだと考えるかもしれません。
あなた自身が、将来のことを考えて、終身保険に加入すべきか、保険金額をどれくらいにすべきかを考えなければなりません。
ねこのてFP事務所では、「終身保険への加入はできるだけ少なく」というスタンスを取っています。
「老後に備えたいが、今の生活ももっと充実させたい」という考えがあるためです。
他の保険会社や保険代理店で提案された内容に不安があれば、ぜひ一度ご相談ください。
保険だけではなく、投資も含めた資産形成プランを、お客様と一緒に考えます。
ご遠慮なく、お問い合わせください。